ぽっちり堂誕生秘話
はじめまして、こんにちは!
ぽっちり堂のデザイン、家事、育児担当のケイコです。
ぽっちり堂のできるまでをこれから書かせてもらいます。
どうぞよろしくお願いします。
ぽっちり堂は、高知県の緑豊かな山のふもとにあります。
築百年以上の古民家を改修して、私たちのお家&お菓子工房
として2006年12月にオープンしました。

どうして、こんな田舎でお店を開くようになったの?
よく聞かれる質問です。
それは今から2年ほど前、
子供の草生太をみごもったことがきっかけでした。
ここは夫の生まれ育った緑豊かな町。
私がまだ大学生でおつき合いをしていた頃から、夏休みや
春休みになると、この町に帰省して、ゆっくり過ごしていました。
彼の育った山の古民家で、
祖父母と一緒に畑で作業をしたり、川で遊んだり。
ぼ〜〜っと縁側でしたりする時間が大好きでした。

畳の上で寝転んでいると、
谷川からのサワサワ・・・というせせらぎの音。
すぅーっと家の中を通りぬける柔らかい風。
風鈴の向こうに見える青々とした田んぼの稲穂の波・・・。
この場所で、いつか暮らしたいね。
でも、もうちょっと京都で色々勉強してから。。。
そして月日は過ぎ、結婚もして京都で楽しく暮らしていました。
そんな、ある日、子供を授かったことがわかりました。
すると自然と二人してすぐに
「よし田舎で腰をすえて暮らしてみよう。」
「自然豊かなあの町で、子育てをしよう。」
そう心から決めることができました。

普通のものに、アート性をひそませて。
ー「シアワセの贈り物屋さん」を目指してー
昔よく行ったお豆腐やさん。
いつも夕方行くと、
おばあちゃんが腰を折り曲げて土間をぴかぴかにしていた。
すうっと風がとおる町屋の中で、
いつもおいしい豆腐と、ひろうすを買った。
ひろうすは具がぎっしりバランスよくつまっていて、絶品だった。
休日に行くと、豆腐店の畑で育てた青大豆の豆腐があった。
ほのかにブルーのお豆腐は、またほのかに違った味と香り。
夏にはまあるい形のユズ豆腐が水にぷかぷか浮いていた。
ぷるるんと暑い夏に気持ちいい、さわやかな味。
食卓にのせて眺めるだけでもうれしかった。
毎日作っているいつものお豆腐も、
毎日、毎日少しずつ味が違って、
そして毎日おいしい。
お豆腐屋さんは毎日毎日、同じものを作っているだろうに、
毎日生まれなおしているかのような、新しい味がした。
よく通った天然酵母のパン屋さん。
そこでいつも買うくるみとレーズンの葡萄酵母パン。
買うと待ちきれなくて、近くの鴨川で食べた。
地味なパンなのにかみ締めるほどうまみがでてくる。
毎回ちょっとずつ進化した味で、はっとするような感動があった。
作っているおじちゃんの、
毎日さらにいいものを作ろうとする気持ちと、
根をはったパン作りが作り出す感動の味だった。
お豆腐屋さんも、パン屋さんも、共通することがあった。
彼らの作る食べ物は、
心にも響いていたけど、
体にじんわりしみこんで、
いつも私達にいい風を吹かせてくれた。
そんな地道な毎日の仕事、
そこにはびっくりするほどきらきらしたアート性があった。
そして、その土台を、しっかりした素材が支えていた。
普通のこととして、無農薬、減農薬、フェアトレードのやさしい
素材を使っていらっしゃった。
私はそのころアート活動をしていたけど、
展覧会を目指すよりも、
お豆腐屋さんのように人や暮らしに近い普通のものに
ひそんでいるすごさに惹かれるようになった。
地に根をはって生きる、
そんな暮らしの中から生まれるきらきらしたものを届けたい。
そのきらきらのつまった箱を開けると、
普通のお菓子なのに、何だか幸せを感じて、
新しい喜びと一緒に体と心にしみこんでいく。
そんな仕事がしたいと思った。
それが、私達のコンセプト「幸せの贈り物屋さん」であり、
ぽっちり堂の起源なんだなあと思います。
今ココにあるものを生かして、仕事を作っていこう。
高知に来て二年。
お年寄りや若い人は「ここにはなんちゃあない、」とよく言う。
「仕事もないし、若い者もみんなでていく」
過疎が進む村では、なんだかやるせない無力感が漂ってる気がする。
寂しい気分になって、自分達がどうあがいても、
むなしいだけ、どうにもならないのかなあ。。。と思うこともあった。
けど、本当は見方ひとつ。
ここにあるものは無限。
むなしい気分でいつまでもやっていきたくない。
大好きな自然や、おばあちゃんの知恵や、そうたの生き生きした顔。
「今ここにあるもの」を愛して暮らし、
「今ここにあるもの」を生かした仕事を作りたい。
仕事がないなら作ったらいい。
それが当たり前になったらすてきだなあ・・・
自然にも、自分達にも、素材の生産者にも、
食べてくれる人にとっても、
豊かさが循環するような仕事がしたい。
そう思ってぽっちり堂をはじめました。
「好きなことを仕事にする」というのは自分達にとって、
前向きに生きる表現だと思っています。
子供は無力感の中で育てたくない、
少しでも前向きで幸せな雰囲気の中で育ってほしい。
なんでもできる気がする、大好きなものを愛しきる、
そんな思いをもって生きてほしいなあと思います。







