自然派菓子工房ぽっちり堂閉店のご挨拶



日々株式会社代表
自然派菓子工房ぽっちり堂 店主の川村圭子です。


当店をご愛顧賜り、ありがとうございます。


突然のお知らせになりますが、 諸般の事情により、自然派菓子工房部門を5月末日をもって終了することになりました。


今後弊社では、かねてより行ってきました、講座・研修の運営に業務を一本化し注力してまいります。


これまでの皆様のご支援、応援、心より感謝いたしております。本当に、ありがとうございました。


文面にて恐縮ですが、取り急ぎ、ごあいさつ申し上げます。


今までお世話になってきた皆様にと、以下ご挨拶を書かせていただきました。これまでと、これからについて。読んでいただけると幸いです。

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【12年前、古民家ではじまった日々の歩み】


ぽっちり堂をはじめたのは、今から12年前。京都から高知へ移り住んだころです。



まだ、赤ちゃんだった息子を背負いながら、築100年の古民家を改装して営業許可を取り、夫と一緒に試作を続けてお菓子を焼き、販売し始めました。



赤ちゃんだった息子は来年もう、中学生です。



わたしは、2013年に山のカフェをいったん閉じ、お菓子工房業務をスタッフに行ってもらいながら、ヒビノケイコ名義での執筆・講座活動に入りました。



その後、全国での講座・研修運営がメインの仕事になってゆき、2016年に法人化しました。現在は日々株式会社 代表取締役として活動をしています。



夫は、移住支援活動のNPOで仕事をするようになり、地域には国内外から移住者が増え、かつてでは想像できなかったほど変化してきました。



時折、雑誌やメディアに掲載されるときには、「理想的」と言われることも多いです。
でも、実際はそんな簡単なものではありません。



いいことも悪いことも清濁併せ飲んで、時には歯をくいしばりながら、周りの人たちに支えられながら、一歩ずつ歩んできたのが本当の姿です。



2018年、高知での暮らしと起業12年目の節目に、これからのわたしたちの生き方・ライフキャリア計画を改めて考えました。



起業して最初に作ったのが、このぽっちり堂なので思い入れがあるぶん迷いました。ですが、さまざまな経験を経た上で、より効果的に、より深く、力を集中して使っていくために、お菓子工房を閉じシンプルな形にしようと思い至りました。



勝手ながらお菓子工房部門を閉じることになりましたが、ぽっちり堂のお菓子工房を愛してくださり、応援してくださったみなさんには、感謝しかありません。本当にありがとうございました。




【仕事がないなら、つくろう】

「自然の中で、子育てがしたい」

そう思って夫のふるさとである高知県の山奥に移り住んだけれど、仕事の選択肢はない。



美大を出た後、美術作家活動をしていたわたしは、同じ「つくる」こととして「仕事がないなら、つくろう」と自然に思いました。



それは 「日常とアートと表現を、仕事に落とし込んだらどんなものができるんだろう?」という、ある種、コンセプチュアルな実験でもありました。同時に、生活に根ざしているぶん、泥くさい作業でもありました。



”「幸せの贈り物」を、この山の暮らしの中からお届けしたい”



まだまだ未熟なわたしたちの、そんな思いに共感して応援してくださる方が増え、最初は0人だったお客様は、全国に広がっていきました。



中には、開業当初からずっとご利用いただいている方、折々に言葉を添えて伝えてくださった方。みなさんの応援が、どれだけ励みになったことか。温かい交流をありがとうございました。



また、小さな工房でたくさんのお菓子を焼くことはできない中、少ない数ながら、取引を続けてきてくださった取引先企業・販売店の方々。


今までひとつひとつ丁寧に、思いをこめて仕事をしてくれたスタッフ。



心から感謝しています。お世話になりました。



【これからの日々】

今、わたしがしている仕事のツールは、文章やイラストもありますが、講座や研修など「場」をつくることがメインです。



すべての仕事における根本的なテーマとしては、

「この変化の多い時代に、大切にしたいものを大切にしながら”どう生きるか”を考えること。その軸に基付いて、自分の手でライフキャリアを作れる人を増やし、多様でカラフルな社会作りに貢献したい」ということ。



昔は、終身雇用制や年金など、会社や国が保障をし、キャリアの設計も面倒をみてくれたのですが、少子高齢化と経済のグローバル化、自由化が進んだ今の時代は構造がガラッと変わりました。同時に、人間の寿命は延び、人生100年時代とも言われています。


そういった時代の中では、個々人が自律的にライフキャリアを作っていくことの重要度が増してきます。



これからは、ひとつの会社に雇用される形態に加え、わたしたちのように、自分サイズの仕事を作る人。また、副業を重ねていく人、フリーランス、転職を繰り返していく人など、様々な働き方が増えていくでしょう。



一方で、形は変わっているのに、その現実を踏まえた教育、考え方、すすめ方をできないことで苦しむ方や、悩む方。より建設的に、多様に、自分の人生を構築できるチャンスを逃している方が多いのが現状です。



そしてまだ、そういったライフキャリアを身をもって体現し、体系立てて伝え、前向きな形で後押しできる存在は、ほとんどいません。



わたしがしてきたことを抽象的に要約すると、

「自分という素材を生かし、美意識を持って仕事と暮らしを作り生きていくこと」。



7年ほど前、そういった様子を見た方々からの要請がきっかけとなり、全国で大学・社会人の方々に講座・研修を行う機会が増えていきましたが、


ここ数年は本格的に
・暮らしと仕事を、美意識を持って自分の手で作っていける人
・人の中にある素質を生かして創造的に生きていく人を後押しし、育成していくこと
のためにプログラムを作り、全国で講座開催をするようになっています。




これからの10年では、より深く、それらにアプローチしていけるよう、研究・臨床・実験にも力を入れていき、個人的には何年かかけてアートにまつわる活動も再開していきたいと、わくわくしています。



とはいえ、子育てと家庭、事業をしながらなので、目に見える活動としては、ゆっくりしたスピードになるかもしれません。少しずつ人の役にたつ形にして、社会で表現していきたいと思います。




【最後に。 看板は変わっても、軸にあるものは変わらない】


ぽっちり堂を起業した時と今で状況は変わりましたが、軸にあるものは変わりません。


「アート性を持って、現実で生きていく」


芸術作品はアートです。それともうひとつ、 「人が、本来自分の持っているものを生かし、美意識を持って生きていくこと」このこと自体も、死ぬまで続く発達的なアートだと思っています。



この本質をこれからも大切に、今の自分たちらしい形で。
一歩ずつ、歩んでいきたいと思います。




感謝を込めて。

これからも、よろしくお願いします。



日々株式会社代表取締役
川村圭子 


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これからの活動情報はこちら→ブログ「ヒビノケイコの日々」http://hibinokeiko.blog.jp

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